ギコ猫とモナー受難の記録

ギコ猫の受難・タカラ問題

事の起こりは2002年の3月。
おもちゃメーカーのタカラが2ちゃんねるをはじめとする多くのネット住人の間で親しまれている「ギコ猫」の商標登録を出願しました。

出願された称呼は「ギコネコ」、「ギコ」で、区分は「玩具」や「文具」、「アクセサリー」、「布製品」などの商品。サービス(役務)は対象になっていません。
つまり商品に使うだとか役務・商売に使うといったこと以外は「商標を使用する」とは言えないので、掲示板に書きこむ程度は商標の無断使用にはなりません。今まで通りに使っても大丈夫ってことです。

しかし、6月初頭、2ちゃん上でこの話題がとりあげられると、猛反発が起こりました。

2ちゃんにはスレッドが乱立し、タカラを批判。また、タカラ自身にも抗議のメールが殺到。遂には2ちゃんの管理人であるひろゆき氏がタカラに抗議と意見のメールを送り、2ちゃんのサイトトップが「ギコ猫」のイラストになるなど、2ちゃん全体がギコ猫を擁護するという大きな事態にまで発展しちゃいました。

予想外に2ちゃんユーザーの反感を買う形になったタカラは、ここで迅速な動きを見せます。ただちに商標出願の取り下げを発表し、さらに「ユーザーへの謝罪」も述べています。このすばやい動きによって事態は急速に収まったのです。

たとえ商標登録されたとしても、掲示板で使う分にはなんら問題がなかったのに何故ここまで大きな騒動になってしまったのでしょうか?
それは、

「ギコ猫は誰のものでもない」

この思いがネットユーザーの中に強くあったからです。

タカラは「著作権の存在しない人気キャラクター」をビジネスチャンスと考え、商品化すればネットユーザーの支持を受けてヒットすると考えたのでしょう。しかし、例え称呼だけの商標登録だったとしても、それは「ギコ猫は私の物」と主張することになります。ここに大きな反発が生まれたのです。

ギコ猫のルーツをたどれば、元は一人の人が使っていたものでした。それが2ちゃんを中心にネット中に広がり、色々と姿を変えて現在の「ギコ猫」となりました。「ギコ猫」は立派な野良猫です。そして皆が愛する野良です。それを突然「今日からこの子はうちの子」って独占すれば、そりゃ皆怒ります。

しかし、先に書いた通り、その反発にタカラはとても迅速な対応をしてくれました。
2ちゃんの、ネットの影響力をなめていたこと、そしてギコ猫が野良としてどれだけの人に愛されているのかを認め、「軽率だった」と謝罪してくれたのです。

こうして無事に野良に戻った「ギコ猫」は、今日も元気にネットの世界で自由に暴言を吐いたりしているのです。

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